第41話 「運命の別れ道」

*二度目の恋 君に逢いたくて…第41話


ついに沙織に爆発した鈴之介。
彼女に母のようだと言われた瞬間、頭にカッと血が昇ってしまったのだ。



そしてそんな風に思われてもまだ、
彼女への未練を断ち切れない自分が腹立たしくもあり、情けなくもあった。
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幼い頃、彼女を見た瞬間に恋をし、ドキドキした自分が情けない。
その彼女への思いを、何年も色あせる事なく思い続けた自分が情けない。



やがていつの日か、彼女も自分に恋をしてくれるのならば…
そんな幻のような夢物語を胸に秘めていた自分が情けなかった。
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所詮、すべては夢だったのだ。
現実は恋どころか、彼女は僕を男として見ていなかったのだから。



ああ…もっと早く気づくべきだった。
彼女が僕以外の男性に惹かれた時点で、きっぱりと諦めるべきだった!
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けれどそれはまだ遅くはない。今からきっぱりと断ち切ればいいのだ。
そして自分も、彼女以外に愛する人を見つけなければ。そう…



いま…すぐに!



「沙織さん…もう僕達は婚約者同士ではないのです。
ですからこんな風にあなたにしょっちゅう抱きつかれたりされるのは正直言って迷惑です…」
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「迷惑…?」
「ええ、迷惑です…」



「さき程の……あんな乱暴な言い方をしたのは謝ります…。
ですが僕も男だと言う事をあなたに知って欲しかったのです…」
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「僕はあなたの母なんかじゃありません…」



「ご…ごめんなさい…私…そんなつもりでは…」
「それに僕にも最近、気になる方がいます…」
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「あなたには信じられないかも知れませんが…
僕を素敵だと言って下さる女性がいるんです…僕をとてもセクシーだと…」



「鈴之介さんを…?」
「ええ、つい最近出会ったばかりですが、とても素敵な女性です。僕はその女性と…」
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「その……女性と…?」



「ホップ…ステップ…ジャ~~ンプ…」
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「って感じ…」



「そう…その女性と…ホップしてステップしてジャ~~~ンプしようかと…」
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「ホップ…ステップ……ジャ~~~ンプ…?」



「ですからあなたとこんな風に抱き合うのは、もうやめたいんです」
「鈴之介さん…」
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「冷たいようですが、もう僕に泣きつくのはやめて下さい!」
鈴之介はぴしゃりと言った。



「私…」
「僕とあなたはもう他人です。婚約を解消したあの日から、
僕達は違う道を歩み始めたと…僕はあなたにそう言ったはずです。覚えていますか?」
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「え…ええ…それは覚えていますが…。でも…」
「もう帰って下さい…」



「鈴…」
「帰って下さい!」
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「お願いですから…もう…」
「鈴之介さん…」



「分かりました、帰ります…」
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「帰ります!」
ダッ!



「そう…これでいい…」
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「さようなら…沙織さん…」



沙織は逃げるように自分の部屋へ向かって駆け出した。
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あんな鈴之介を見たのは初めてだった。
彼はいつも優しく、物腰が柔らかで紳士な男性だ。



ましてやあんな事を女性に言うような男性では断じてない!
それなのに…どうして…
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どうして突然あんな言い方をしたの?あんな…犯すだなんて…



パタン!
彼女は家に入ったとたん、胸がドキドキして苦しくなった。
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いいえ、あれはいつもの彼ではない。いったいどうしてしまったのか…。
あんな風に突然怒鳴ったりなんかして…。



それに…気になる人…。
気になる人?鈴之介さんに?彼に…気になる…人…
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そう思ったとたん、沙織の心臓はキューっとなり、もの凄い勢いで動き出していた。
それは母のように思っていた彼が、急に遠くに行ってしまうと感じたからだろうか。



それとも…
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彼が妙に男らしく、そして逞しく見えたせいなのだろうか…
そのどちらなのかは、沙織にも分からなかった…。



-翌日-



コンコン…コンコン…
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「ローリー…いる?私…このみよ…」



「ローリー…?」
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カチャ
「なに…?」



「ローリー…」
「なによ?」
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「うん……」



「入れば?」
「いいの…?」
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「いいよ…」



「座って。お茶でも入れるよ」
「ローリー!」
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「うん?」
「夕べはごめん…」



「まったくだよ…」
「ほんとにごめん…。私、言い過ぎたわ…」
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「確かに、言いすぎ」
「わ、分かってる…。だから私…」



「ぷっ」
「え?」
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「すっごい顔(笑)」
「な、なによ…」



「だって(笑)今にも泣きそうな顔してんだもん(笑)」
「そ、そりゃ当たり前でしょ?私…」
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「もういいよ。こうやって謝りに来てくれたから許す」
「ローリー…」



「それにあんたの言う事も一理あるからね」
「え……」
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「このみ…私さ、自分に嘘ついてた…。
ゴルゴの事でさ…口では私なんかより沙織の方がいいに決まってる…」



「な~んて言ってたくせに、ほんとはそう思ってなかった…。嫌だったんだ。
もしアイツが沙織とほんとに付き合ったらどうしようってずっと思ってた」
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「で、いざ沙織の口から付き合ってる…なんて聞いたらさ…
ゴルゴに腹が立って仕方がなかった。沙織にもイラついた…。矛盾してるよね…」



「え?ちょっと待って。ゴルゴさんと沙織ちゃん…付き合ってるの?」
「そう言ってたよ、沙織は」
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「それは嘘よ…」
「なんで?」



「なんでって…」
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(だってあの時…)



「どっちなんですか?!誰を好きで誰と一番やりたいのか、
自分の気持が分からないんですか?!」
「こ、このみちゃん…だからちょっと過激…」
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どっち!



ローリー!
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キッパリ!



「と、とにかく、私はゴルゴさんは沙織ちゃんと付き合ってないと思うわ」
「でももういいの…。もういいんだ、このみ…」
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「ローリー…そんな投げやりな…」



「勘違いしないで。私が言ってるのは付き合ってても関係ないって意味。
私、ゴルゴに飛び込んで見る」
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「嘘…」
「やってみる」



「ローリー!」
「うわっ!」
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「よく言った!」
「なによ、急に」



「それでこそローリーよ!」
「そうかな?」
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「うん……うん!」



「でもその前に…沙織にちゃんと言うよ。私もアイツに惚れてるって事、ちゃんと言わないと。
フェアじゃないのは好きじゃないんだ…」
「そうだね…」
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「なに泣いてんのよ(笑)」
「だって…」



「ところで、あんたは何があったの?」
「え…」
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「何かあったんでしょ?」
「私…?  私は何も…」



「嘘よ」
「ほんとに何もな…」
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「絶対に嘘。亮さんと何かあったんでしょ?」
「ローリー…」



「ほら…何があったのか言ってごらん?………ん?」
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「言ってごらんって」



「私…亮さんが好きよ…」
「知ってるわよ(笑)」
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「ほんとうに大好きなの…」
「だからぁ~知ってるってばっ(笑)」



「でもね……」
「このみ?」
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「でも……ね…」



一方、鈴之介は夕べの沙織に対して言い放ったあの言葉に、
意外にもスッキリしたものを感じていた。
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もちろん、彼女を傷つけた事に少しの後悔もなかったと言ったら嘘になる。
その証拠に、彼は夕べほとんど一睡も出来なかった。



だがしかし、母と思われているのだけはどうしても我慢がならなかった。
仮にも一時は婚約していた男に対し、それはあんまりではないか。
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いくらなんでもそれは情けなさ過ぎる。



それに彼女は僕が言った言葉はすぐに忘れ、今日も愛しい彼を思っているに違いない。
母と思ってるような男の言葉なんて気にもしないだろう…。
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そうさ…。僕達はもう、違う道を歩み始めたんだ。
幼い頃の夢は所詮、幻。あの少年時代の恋はもう卒業するのだ。



やがて、鈴之介は大きく深呼吸した。
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そして受話器を取り、男になるための一歩を踏み出した。



ツルルルルルル♪
ツルルルルルル♪



「あ…突然、電話してすみません…」
「あの…僕を覚えていますか…?えと…少し前に一緒に食事した…」
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そう…彼はゴルゴと同様、動き出したのだ。



幼い頃から続いた恋の魔法を解き放つために。
幼い頃から夢に見た幻を闇に放り投げるために。
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そしてもちろん!
新しい未来へ向かってホップしてステップしてジャ~~~ンプ するために、だ!



だが、一つだけ鈴之介は間違っていた。
それは沙織が自分の言葉なんて気にもしないだろうと思っていた事だ。
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実際には、沙織は大いに気にしていた。ビックリしたと言う方が正解だろうか。



あんな風に彼が言うなんて夢にも思わなかった。
出会った時から彼は温厚で、声を荒げると言う事が一度もなかったのだ。
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しかも彼は私を『犯す』と言った。あんな野蛮な事を彼が言うなんて信じられない…。



「鈴之介さんが私を おかず…?…こかす…犯す…?」
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「まあ…」
そして彼女は夕べからその言葉がグルグルと頭を回っていた。



あんな事を言った彼を野蛮に思うが、しかしその反面、一瞬ドキッとした。
彼が突然、逞しい男に見えたのだ。
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それに彼が私以外に素敵な人と出会ったと言っていた事も引っかかる。
どんな人なんだろう?どこで出会ったの?



今まで私に向けられたあの優しい笑みも、そして柔らかい声も、
これからはすべてその女性に向けられる。
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もちろん、私達は婚約解消したのだから、私にはもう関係ない事だ。
なのに何故こんなにも気になるの?



いいえ、気にする必要なんてない。それは間違いだ。
それに、彼はあんな野蛮な事を言う男性だったんだわ…。
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あんな…犯すなんて…犯す……



突然彼女は立ち上がり、本棚へと向かった。手に取ったのはもちろん、辞書だ。
そう、彼女の次の行動は、「お」の頭文字のページを開く事だろう。
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そして改めて「犯す」を言う言葉を調べる事は間違いない(笑)



「その考え、間違ってる」
「分かってる…。だけど仕方が…」
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ローリーにすべてを話したこのみ。
ローリーの優しい問いに、ついに崩れ落ちてしまったのだ。



「このみ…あんたの気持も分かるけどさ…でもそれはおかしいよ…」
「じゃどうすればいいの!
このまま黙ってルビーちゃんを見殺しにすればいいって言うの!?」
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「落ち着きなって…。誰もそんな事は言ってないでしょ?だけど…」



「けれど私が亮さんとこのまま結婚したらそう言う事になるわ!
ローリー……本当にもう時間がないのよ…。ルビーちゃんはもう…」
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「このみ…」



「もし私達が結婚したとして…その後彼女に万が一の事があったら私…耐えられない…」
「だけどさ…じゃルビーちゃんが大人になってその事を知ったらどうすんの?
大好きな亮さんとあんたが自分のために別れたと知ったら…」
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「そんな先の事なんて考えられないわ。今は移植を優先に…」



「あんた、神様?」
「え…」
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「神様なのかって聞いてるの」
「ローリー…なにいって…」



「私はね、このみ…。人の命はさ…神様が決めてると思うんだよ…。
彼女にもし万が一の事があったとしても、それは神が定めた彼女の運命だよ…」
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「それを彼女が違法な手段で移植を受けて命を長らえたら、きっと神の怒りに触れる。
そしてきっとその代償は必ずやって来る」



「だからね…移植が間に合うも間に合わないも…すべて定めだよ。
悲しいけど、それが彼女のさ。違う?あんたと亮さんが別れて、無理に移植を早めても…」
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「もういい…」
「このみ…」



「ローリーは当事者じゃないからそんな事が言えるのよ…。確かに運命かも知れない。
けど、だからって仕方がないわねって笑って過ごせる?」
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「亮さんと二人、幸せそうに何食わぬ顔で過ごせると思う?」



「無理よ…無理だわ…。
ローリーはあのルビーちゃんの諦めた顔を見てないからそんな事を言えるの…」
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「彼女はもう…生きる事を諦めてる…。あんなに幼いのに…」
「このみ…だから落ちつい…」



「昨日、ルビーちゃんが倒れた時に言ったのよ!私はもういいって!
もういいって父親に向かって言ったのよ!」
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「それを聞いた時の父親の顔と…亮さんの絶望の顔!あの時の顔は忘れられないわ!
それを見てないからローリーはそんな事が言えるのよ!」



言えるのよ!
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このみ!



ああ…私は何を偉そうに、あんな事を言ったのだろう?
いつも大人しいあの彼女が、あんな風に声を荒げる程、パニックに陥っている。
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きっと何日も悩んでいたのだろう…。簡単に出した答えではないはずだ。
あの答えを出した経緯の裏には、相当な心の葛藤があったに違いない。



そう…それは自分が一番よく知っている…。
昔…子供を中絶した時に、自分が経験した事ではないか…。
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中絶以外に道はなかったのか?中絶するくらいなら、なぜ避妊をしなかったのか?
それは当時者以外の人間ならば、誰もがそう思う疑問だろう。



現にその当時の友人は皆、口を揃えてそう言った。
よくそんなに簡単に中絶なんて出来るわね、子供が可哀そうじゃないの?
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そもそもちゃんと避妊すればよかったのよ。結局のところ自分が悪いんじゃないの?…と。
確かに友人達が口にした言葉は正論だし、そしてそれが正解だろう。



けれどあの頃は何日も悩み、泣き、そして苦しんで出した結論だった。
決して簡単に中絶した訳じゃない!
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そしてもちろん、簡単に出した答えでもなかった。それはこのみも一緒のはずだ…。
ああ…今の私はあの頃の友人達と一緒だ。もっともらしい事しか言わない正論者達と。



それに運命などと、よく言えたものだ。
自分は運命に逆らって自分の手で我が子を殺したではないか…。
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だとしたら、私にもその代償は必ずやって来る…?



ううん、違う。あの子達は生まれて来ないのが運命だったのだ…。
だってそうでしょ?あのまま産んでもきっとどん底の生活が待っているだけだ。
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だから…この世に産まれて来ない方がよかったのだ。
けれどもう過去を振り返ってばかりいるのはやめにする。



そう、私はゴルゴに飛び込んで見ると決めたんだ。ならやる事は一つ。
今すぐシルヴァーを追い出さなくては。
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同情もやめる。情けもかけない。何を言われようと放っとけばいい。そして…
『私は可哀相』ごっこはもうやめる!」



このみは、本当はローリーの言う事はもっともだと思っていた。
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そう、私は神ではないし、こんな話、誰が聞いても間違ってる!
だけどどうしたらいいの?このまま素知らぬ顔なんて絶対に無理だ…



カチ…
そうだね、ローリー…。その代償はすぐにやって来るよ…。
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だって私は彼を一生忘れられない。彼以上の人はどこを探しても見つからないもの。
そしてもう二度と、恋なんて出来ない…。きっとそれが私への…



「もしもし…。二宮さんのお宅でしょうか…]
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大きな代償よ!



-二宮家-



「お嬢様。旦那様がお呼びでございます」
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「お嬢様…?」



「え、ええ…聞こえてるわ…。また信也さんが見えてるの?」
「はい、先ほど」
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「お父様が呼んだのね…。困ったお父様…」



「でもそうね…かえってちょうどいいかも知れないわ…」
「あの…何がですか?」
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「いいえ、こちらの話よ。すぐに降りて行くと伝えてちょうだい」
「かしこまりました」



「亮…」
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だから言ったでしょ?世の中にはお金で買える物の方がはるかに多いって。
あなたの恋人はとてもおりこうさんね…



「はっはっはっ~。ささ、信也君、もう一杯どうだね?」
「いえ、もう十分いただきましたので」
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「遠慮せんでくれたまえ。君にはいつもすまないと思っているんだよ。
麗華の奴…君との婚約を先延ばしにしおって…本当に申し訳ない…」
「そんな…」



「だが今日は決まるような気がするんだよ!わしの勘ががそう言っておる!なあ~に、
あいつも最近は大人しく家にいる事が多くなったようだ。大方、遊びにも飽きたんだろう」
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「でも僕はそんなには急いでませんので…」



「いやいや、こう言う事はさっさと決めなくてはいかんっ。善は急げだ!
そうではくては君のご両親にも面目が立たんじゃないか!」
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「おっと、それとも何か?君はうちの麗華との結婚を望んでいないとでも…?」



「まさかっ!そんな事はありません!僕は人目見た瞬間から麗華さんに恋をしました!
彼女と結婚出来るなんて夢のようです!」
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「はははっ! そうかそうか!そう言ってくれると嬉しいよ。
よし!今日にでもさっそく婚約式の日取りを決めようじゃないか」



「今日ですか!僕としては大変な光栄です!あの美しい麗華さんと婚約出来るなんて!」
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「ですが麗華さんのお気持は大丈夫なんでしょうか。僕としては彼女の気持を優先に…」



「婚約するわ」
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「え?」



「麗華…今、なんと言ったんだ…?」
「婚約すると言ったのよ」
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「そ…そうか、そうか!とうとう決めてくれたか!」
「ええ」



「信也君!ほぅ~ら、だからわしの言った通りじゃないか!
今日は絶対に決まると思っていたよ!わしの勘もたいしたもんだな!はっはっはっ~」
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「はい!さすがお父上でございます!
僕はなんと言ったらいいか…この上ない嬉しさで天にも昇るような…」



「信也さん…」
「は、はい!」
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「婚約式には出席して下さるかしら?」
「もちろんですよ!自分の婚約式に出席するのは当たり前じゃないですか!
麗華さんも冗談が上手いな~あははははは!」



「いえ…都合が悪いなら欠席して下さってもよくってよ…」
「え…で、でも僕は新郎なんだし…それにその…ひな壇には二人で並んで…」
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「あなたのお席は来賓席なの。私の隣じゃないわ。だから無理に出席しなくてもいいのよ」
「あの…だけど新郎は来賓席ではなくて…普通はお誕生日席なはずだから…その…」



「お前はさっきから何を言っておるのだ?彼の席はお前の隣に決まっておるだろう?」
「お父様、婚約パーティーの準備は私がするわ」
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「そ、それは構わんが…だが彼の席は…」
「ですから彼の席は私の隣ではありませんわ。では私はこれで失礼します」



「ごきげんよう」
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「こ、こら!麗華!なにを訳の分からん事を!麗華!」



「だ…だって…僕は新郎なんだし……お誕生日席なのは当たり前…」
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「…だよね?」





続き、第42話へ 「悲しみの午後」
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