第12話 「素直になれない私」

*二度目の恋 君に逢いたくて…第12話



亮に唇を奪われたこのみ。
頭の中はふわふわとしていて、いったい何が起きたのかまだ分かっていない。
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だが、この甘い口付けは決して夢なんかじゃない。
夢か幻か…この突然の出来事をどう理解すればいいのだろう…



ああ…いったい私はここで彼と何をしているのだろうか…。
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この光景が信じられない。



彼の手が背中をさすっている。その動きは怪しくエロティックに動き、思わず声をもらしてしまった。
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こんなキスは初めてだ。キスだけでこんなに熱くなるなんて…。



時折、彼は私の唇を舌でそっとなぞり、優しく噛んだりを繰り返していた。
その行為にゾクゾクする。
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ああ…このまま彼に身を投げ出してしまいそうだ…。



お腹のあたりに彼の興奮の高まりが伝わる。
それを感じたとたん、自分の体の中心部ももっと熱くなる。
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嫌だ…。絶対に知られたくない…。
こんな恥ずかしい事…絶対に知られたくない…!



「もっとして欲しい…?」
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突然、亮が耳元で囁いた。その低い囁き声にこのみはビクリとした。
見透かされてるようで顔が赤くなる。



「俺はもっとしたい…。だけどもっとしたらそれだけでは収まらなくなる…」
「亮さん…」
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「今日はこれで我慢する…。でもこの次は保障出来ない…」
「あの…どうして…」



「どうして…?理由は簡単さ。さっき言ったろ?君が本当の妹じゃなくてよかったって。
なんなら、もう一回キスしようか?」
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「だ、だって亮さんはリンダを…」



「シー…」
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「君がずっと気になってた…。ゴルゴと踊ってた時はぶち切れそうだった…」



「えと…つまり亮さんは…」
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「そう、つまり俺は君に惚れてるって事。
リンダとの事はもう過去の話だ。アイツの事はもう忘れたよ…」
「忘れた…?」



「ああ…忘れた。そんな風に思ったのはいつからか分からない。だけど…今はもう分かってる」
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「そ、そうですか…。そう…ですよね…」



(って…なにがそうです…なの!
もう何がなんだか分からなくて自分でも何を言ってるのか分からない…)
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「君は…?」
「え…?」



「君は俺の事は好き?俺の事をどう思ってる?」
「わ、私ですか…?」
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「そう君。もちろん、お兄さんのようだなんてのはなしだ」
「わ、私は…私は…」



(亮さんがお兄さん?そんなの…そんなのとっくに思ってない…)
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(ううん…。本当は一度もそんな風に思った事なんてなかった…。
今も…昔も…思った事なんてなかった…)



「私は?」
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「私は…」



「私は…(ゴクリ…)」
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「私は……まだ分かりません…」
「分からない…?」



「分からないけどでも…」
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「でも…亮さんとのキスは……嫌じゃありませんでした…。全然嫌じゃなかった…」
「このみちゃん…」



ギュッ…
「あ…」
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「いいよ…。今はそれで十分だ。スゲー嬉しい…」



(分からない?それは嘘…。私はすでに彼に捕まっている。身も心もすべて捕まってしまった…)
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(私は亮さんが好き。もうこんなにも惹かれてる…)



(だけど亮さんは本当にリンダを忘れたの?私はリンダの代わりじゃないの?)
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(もうあんな恋はしたくないのに…したくないのに…この腕の中から離れたくない…)



「さ、じゃもう遅い。送って行くよ。下の暖炉の側で着替えたらいい。それじゃ寒いだろ?……ん?」
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「はい…」
「行こう…」



嫌だ…まだ帰りたくない…。
もう一度キスをしたい…
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もう一度抱き締めて欲しい…。
そしてもう一度あの情熱を感じたい…。



彼にキスをされ、舌で愛撫を受けた時は頭がクラクラした…。
その時の事を思い出したらドキドキして倒れてしまいそうだ。
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自分がこんな風に、男性に性への興味を持ったのは始めてだ。
私はこんなにもいやらしい女だったの?



小泉君とキスをした時も、隆君とキスをした時も…こんな風に感じた事は一度もなかったのに。
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それなのに、ほんのちょっと抱き締められてキスをされただけなのに…どうして…



「用意出来た?」
「はい」
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「じゃ行こう」



ああ…困った…。本当に困った。亮さんはどうしてこうもセクシーなんだろう…。
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前を歩く彼の姿にばかり目が行ってしまう。私はさっきまであの腕に抱かれていたのだ…。



あの時私は感じていた…。そう…感じていたのだ。
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そして女である事の歓びをもっと感じていたかった…。



― このみのアパート前 ―



「じゃ又な…」
「はい…」
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「電話するから…」
「分かりました…」



(失敗した…。送るなんて言わなければよかった。
何にもしなくていいからあのままベットへ一緒に…)
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(いやいや…やっぱそれは自信ねーな…。ベットに入って何もしねーなんて無理…。
と言うか、それは拷問に近けーし…)



「じゃ…」
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「はい…」



(まだ…)
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(帰りたくないんだけど…)



「マジで…じゃ…」
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「…はい…」



バタン
(あー帰りたくねー…。しゃーねーな…)
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そして亮はスネたようにぶつくさと文句を言い、グッとアクセルを踏んだ。



「さよなら…」
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(あーあ…。やっぱり朝までベットに寝てればよかったな…。亮さんのベットで一緒に…)



(一緒に?亮さんと?…私ったら…どんどんおかしくなる…。
亮さんが素敵過ぎるからいけないのよ…。どうしてあんなに素敵なの?)
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(でもあんな風なキスをされたら誰だっておかしくなるわ。
そうよ…あんな情熱的なキスをされたら誰だって…)



カチャ
ふと…このみはある事を考えた。彼はリンダにもキスをしたのだろうかと…。
したのだろうか…。さっきのようなキスを?リンダに?
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不思議な事に、前の恋人の事はまったく考えなかった。何故かリンダとの事を考えたのだ。



何故なら、彼にとってリンダは特別な存在だったからだ。
何年も愛し、忘れられなかった唯一の女性だ。
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彼がリンダの側を離れる前は、二人はいつも一緒にいたのだ。
二人の間にはきっと私の知らない時間があったはず。



「そうよ…リンダにもあんな情熱的なキスをしたんだわ…。あんな風に抱き締めて…情熱的な…」
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(きっとリンダは今も彼の一番大事な部分を占めている…。
分かってる…。私はリンダの代わりに過ぎないって事は…)



だけどそう考えたら腹が立ってきた。今更ながらに無性に腹が立ったのだ。
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「リンダの代わりなんて嫌だ…。そんなの…絶対に嫌よ…」



―亮の自宅―



「分からないけどでも…」
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「でも…亮さんとのキスは……嫌じゃありませんでした…。全然嫌じゃなかった…」




亮はこのみのあの言葉に満足していた訳ではなかった。だが、急ぎたくはない。
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けれどいつまで我慢出来るだろうか…。
またあんな風に抱き締めてキスをしたら我慢が出来なくなってしまう…。



キスをした時の甘い感触。
舌をすべり込ませた時の彼女の可愛らしい声…。
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もう少しであの小さなヒップに手を伸ばしそうになった。



「ちょっとヤバかったな…」
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(あの先に進んだらどうなってた?もっとあの声を聞かせてくれた?)



「………」←妄想中。
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「………」←まだ妄想中。



亮は自分の体がふわふわと浮いているような気がした。
こんな風にドキドキするのは久しぶりだ。
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さっき別れたばかりなのにもう会いたくなる。
この感覚は、初恋をした時のように甘酸っぱい。



会って彼女を抱き締めたい。
そしてもう一度あのやわらかい唇を愛撫したい…。
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やがて亮はあの時の感触を思い出し…



「まるでティーンエイジャーだな…」
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と、クスリと笑った。





続き、第13話へ 「俺の名はミスター単純男」
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