第13話 「俺の名はミスター単純男」

*二度目の恋 君に逢いたくて…第13話



― 翌日、美術学校 ―



カチャ
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「あ、いたいた♪ このみ、おはよ~」



「ローリー…。おはよ…」
「あら、なんか元気ないわね?」
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「そ、そんな事ないわよ…」
「ふ~ん…」



「ロ、ローリー、これから授業でしょ?もう始まるよ。行かなくていいの?」
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「ローリーってば…早く…」
「寝たの?」



「え?」
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「昨日の夜よ。亮さんと寝ちゃった?」



「ね、寝てないわよ!」
「じゃキスは?」
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「キ、キス?キスは……キスは…」
「した?」



「そ、それは……」
「キスはしたんだ。(正直なやつ…)舌は?舌は入れた?って逆か。入れられた?」
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「し、舌?…舌はね…う、うん…ちょっとだけ…って…」



「ちょっと!なんでローリーにそんな事言わなきゃなんないのよ!」
「いいじゃん、教えてくれたって」
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「嫌よ!」
「で、よかったの?」



「え?」
「亮さんとの熱~~いキスよ!よかった?」
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「な…なに言って…」
「どうなのよ!」



「亮さんとのキスは…」
「キスは?」
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「キスは…とっても素敵だった…」
「ヒュ~♪」



「や、やめてよ…そんな風に口笛吹くの!」
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「よかったじゃん。これで熱~い恋が出来るね?亮さんとならそんな恋が出来るわよ~」



「で、でも…亮さんは私の事は…」
「あのね、このみ。亮さんはあんたに惚れてんの。それが分からないの?」
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「だ、だって亮さんは幼馴染のリンダの事が好きなのよ?
わ、私の事はきっとリンダの代わりなのよ…」
「はあ?いつまでそんな事言ってんのよ?だから亮さんは…」



「ううん、亮さんはまだリンダの事を忘れてないんだと思うの…。
だから淋しくて私にあんな事をしたんだと思うわ…」
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「ほ、ほら…そう言う時ってあるでしょ?
なんとなく淋しくてどうしようもない時って…。だから亮さんは…」



「じゃあんたはどうなの?亮さんに惚れてんでしょ?」
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「わ、私は別に…」



イラっ…!
「へえ~惚れてないんだ?キスまでしといて?
あんたって好きでもない男とそんな事出来る子だったっけ?」
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「わ、私だってそれぐらい出来るわよ…。それにキスぐらい今時珍しくないでしょ?
って言うかなんでローリーが怒ってんの?」
「イライラすんのよ!」



(ったく!これだからとっぽい子はイラつくのよ!惚れてるくせに…
四の五の言ってないでガバっと行けばいいのに!私だったら絶対にそうするわ!)
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(めんどくさっ!    ……しゃーないな…)



(私は…何をそんなに意地を張ってるの?だって亮さんはリンダを…)
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(そんなの…嫌なんだもん…)



「そう。そうかもね。亮さんはそのリンダちゃんとやらを忘れてないかもしれないね~」
「そ、そうよ…きっとそう…」
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「それじゃ私が忘れさせてあげよっかな~。ね、じゃ私に亮さんをちょうだい?」
「え?」



「それいい!いいわ~♪どうせあんなたは惚れてないんでしょ?だったら私に亮さんをちょうだいよ」
「ロ、ローリー…」
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「私の熱~い愛で亮さんを包み込んであげれば、
亮さんもそのリンダちゃんとやらを忘れられるわね♪よーし、さっそくデートに誘っちゃおーっと♪」
「デ、デート…?」



「そう。デートに誘うの。本当に!…惚れてないのね?」
「う、うん…ゴニョ…そうよ…。って言うかなんで電話?」
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「さっそく行動に移すに決まってるでしょ?
私はあんたとは違うのよ。獲物は早いうちに仕留めなくちゃね」
「獲物って…」



ピッポパッポ
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「あのね、恋は弱肉強食なの。
ヨダレをダラダラ垂らして見てるだけじゃ美味しい獲物にはありつけないのよ」



「あ、亮さんですか?ローリーです、こんにちわ~。昨日はどうもご馳走様でした~♪」
「いえ、すっごく楽しかったです!はい」
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「そのお礼と言ってはなんですけどぉ~
えーと週末なんですけど暇ですか?ええ、土曜日の夜とか?」
「やだな~デートですよ、デート♪私と二人で映画でもどうかなと思いまして~♪」



「ヒソ…亮さん、昨日、このみと二人っきりにさせてあげた貸しを返して下さい」
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「ヒソ…ええ、約束したじゃないですか。かならず!…来てください」



「わ~いいんですか?じゃ映画館の前に。5時に」
「忘れないで下さいよ?土曜日の5時に映画館の前で!
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(嘘!亮さんがローリーと?…断ると思ったのに…どうして…)



「さっそく約束しちゃった♪」
「…り…亮さんは本当に来るって?」
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「来るって言ってたわ。もしかしたら熱~いキスを私にもしてくれるかも?ラッキー」
「そ、そう…」



「じゃ、これから授業だから」
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「あ~土曜日は何着て行こうかな~映画館の前で5時ね!忘れないようにしなくっちゃ♪」



(うぷぷぷぷ!私っていい友達~♪)
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(このみったら、絶対にいてもたってもいられなくて飛んで来るわよ!)



「って…何故ローリーと映画…?」
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「でも借りを返さなきゃならないから仕方ねーか…。あれ?でも二人でデートって言ってたような…
ま、いっか…。ちゃんと彼女も連れて来てくれるんだろう…?」



(な、何よ…ローリーのバカッ…!)
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(亮さんも亮さんよ!昨日、私の事が好きって言ったくせに!
キスでもデートでも何でもすればいいじゃない…。…亮さんのバカ…)



(あーあ、本当に面倒くさい奴らだな~。って…私も人の事言えないけどぉ)
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(な~んでか夕べからゴルゴのクソバカの事ばっかチラチラ…チラチラ…。
まさかまさかだよね。あんなクソ生意気なガキ…。絶対にありえない!)



「って…鈴之介じゃん」
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「なにやってんの、あいつ?確か次の授業が一緒だったんじゃ…?」



「鈴之介、行かないの?」
「………」ボ~
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「鈴之介ったら!」



「あ…ローリーさんでしたか…」
「なにボ~としてんのよ?授業が始まるよ。教室に入んないと」
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「もうそんな時間でしたか…。先に行ってて下さい、後から行きますので」
「早く来た方がいいよ。あの先生は遅れるとうるさいからさ」



「そうですね…すぐ…行きます…」
「あんた…大丈夫?」
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「何がですか?」
「いや…普段、あんたが授業を忘れる事なんてないからさ」



「ま、いいわ。まじ遅れるわ、先に行くね」
「ええ…本当にすぐ行きますので…」
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(なんかヤバイな、アイツ…。沙織となんかあった?)



(授業か…。そうだ…授業を受けないと…。だけどデッサンが思い浮かばないな…)
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(何を描けばいいのだろう…)



「ウイーッス」
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「あー頭痛てー吐きそう…」



「お前か…。昨日はご苦労だったな」
「ほんとだよ!マジ大変だったんたぜ?もう二度と行かねー」
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「はは!スターの宿命だろ?」
「何がスターだよ…。絶対に監督に騙されたんだ…」



「ところで具合悪そうだな?パーティーで飲みすぎた?」
「いや、ローリーと飲んでたんだよ。あいつ酒が強くてさ」
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「ローリー?なんでローリー?いつの間にそんな仲になったわけ?」
「そうじゃねーよ、勘違いすんなよ。昨日、パーティーの後でこのみちゃんの所に行ったんだ」



「このみちゃんの?」
「ああ。したら彼女が居なくてさ。んでローリーの部屋で待たせてもらったって訳」
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「へえ…」
「結局深夜になっても帰って来なくてさ。つい飲み過ぎちまったんだよ」



「なるほどね…」
亮はゴルゴにこのみとの事をどう言おうか迷っていた。早めに言わなければならない。
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けれど、彼女はまだ分からないと言っていた。
今ゴルゴに言えば、こいつは必ず彼女に白か黒か答えを求めるだろう。



そんな風に彼女を追い込むのは嫌だった。
彼女が自分を好きだとはっきり言うまでは待った方がいいかもしれない。
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そう、こいつは必ず彼女に、俺か、自分か、どっちなんだと詰め寄るに決まっている。
何故なら、彼のあだ名は…



(それにしても…。夕べのローリーはちょっとだけしおらしかったな…。
まさか俺のタキシード姿にしびれちまったとか?)
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(俺って罪な男…)



そう、彼のあだ名は……ミスター単純男なのだから…。



「さ~てと、このみちゃんに電話しよ~っと♪」
「え?」
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「デートの誘いだよ、デートの誘い!昨日は俺の都合でダメになっただろ?
さっそく次の約束をしなくちゃな♪」



「ふ~ん…」
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(いやいや、やっぱりダメだ。すぐに言おう。
ゴルゴには悪いがデートの可能性はゼロなんだとすぐに言った方がいい)



「ゴルゴ…」
「なんだよ、ちょっと待ってくれよ」
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「あのさ…」
「電話が終わってからにしろって」



ツルルルルル♪
ツルルルルル♪



「ん?」
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「ゴルゴさんだ…」



「いや、電話の前の方がさ…」
「お前うるさい。あ、このみちゃんだ♪」
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「このみちゃん?だ~れだ?」
「うぷぷぷっ♪最初がゴで最後がゴだよん♪ついでに真ん中がルさ♪」



「ウケた?ね?ウケた?」
「このみちゃんの笑い声は可愛いな~」
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「………」



「ところでさ、昨日はごめんな。んで昨日の埋め合わせと言ってはなんだけどさ、
土曜日とかはあいてる?」
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「おい…ゴルゴ…!」
ヒソ…後にしろって!



(ったく…!彼女に断られる前に言ってやろうとしてんのに!)
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(このみちゃんは俺のもんなの!お前なんかとデートなんてする訳ねーし。
しかも土曜日だって?残念でしたぁ~土曜はローリーと一緒に映画に来るもんね~♪)



「土曜日?でも……」
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「…り…亮さんは本当に来るって?」
「来るって言ってたわ。もしかしたら熱~いキスを私にもしてくれるかも?ラッキー」




「あの…」
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「では行きたい所があるんですが…」



「Ok!?マジで!?もちろん!そこでいいよん♪ところでさ…」
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(なん…だと?OK?確か今そう言ったよな。このみちゃんがOKした?なんで?
まだ分からないと言うのはゴルゴに気持ちがあったからそう言ったのか?まさか…)



ピッ
「うお~~!やったね!土曜日はデートだ!あ、悪い~悪い~。さっきの話って何?」
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「…いや…やっぱいい…」
「なんだよ、変な奴だな~」



「さ~てと!プールに入らせてもらうねん♪」
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「そのうち俺の美しい裸体をこのみちゃんに披露するのかと思うと燃える(萌える)ぜ!
もしかしてそれは土曜日だったりして?キャ~!ゴルゴ、困っちゃうぅぅ♪」



「………」
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そして亮は、ゴルゴをキッとひと睨みし、
このミスター単純男のあだ名を、ミスターろくでなしのクソヤロ~男に脳内変換した。




続き、第14話へ 「君に恋してる…(前編)」
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