第25話 「それぞれの愛…」

*二度目の恋 君に逢いたくて…第25話



ダッ!
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「和子!」



「あなた!」
「ルビーは!?ルビーは!?ルビーはどうなんだ!」
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「大丈夫よ…大丈夫。ルビーは今はICUに入ってるわ…」



「ICU?!おい!本当に大丈夫なのか!?」
「大丈夫よ…落ち着いて」
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「だけどっ!」
「本当に大丈夫なのよ!今はぐっすりと眠っているわ!」



「寝てる…?」
「ええ…ぐっすりと…」
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「そうか…。よかった…よかった…」



「あなた…先ほど先生がお話があるとおっしゃってたわ…」
「話が…?」
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「ええ…。あなたが来たらすぐに来るようにと…」
「分かった…。すぐに行ってくる」



(とうとうこの時がやってきたのか?恐れていたこの時が…?)
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(ダメだ…そんな事には絶対にならない…!)



「監督…」
「ちょっと行って来る…。すまんが妻に付いててくれないか…?」
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「はい…」



「………」
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「行ってくる…」



カチャ
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「失礼します…」



「吉田さん…お待ちしておりました…」
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「先生…。ルビーは…ルビーは…」



「残念ながらもう時間がありません…」
「な、なんとかならないんですか!?金ならすぐに用意します!だから…」
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「申し訳ありません…。
ルビーちゃん以外にも同じ状況で待ってる子が数人いるんです…」



「私たちはただ…ドナーの順番を待ってるしか出来ないんです…」
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「そんな…」



「これ以上時間が経つと移植も出来なくなります…。
万が一ドナーが間に合わなかった場合…覚悟を………しておいて下さい…」
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「まさか…」
「あくまでも万が一です…」



(ルビー…)
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きっとこれが最後通告なのだろう。
覚悟していた事とは言え、早すぎる…!



頼む…どうか連れて行かないでくれ…。
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娘はまだ何もしていないんだ…。
まだ…一歩も人生を歩んでいないんだ…。



「もちろんドナーが早まる事もあります。そのための準備はしておかねばなりません」
「ええ、それはもちろん…」
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「ただ…」
「え…?」



「あの…大丈夫なんでしょうか…?よからぬ噂があるようなので…」
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「ああ…チームの事ですね…。大丈夫です…心配はいりません。手術代はかならず…」



「そうですか。それを聞いて安心しました。なにせ移植には莫大な費用がかかりますので…」
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「大丈夫です…」



「かならず…」
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「用意いたします…」



― 夜 ―



「嘘!なにそれ!」
「うん…いきなり亮さんは渡さないって言われちゃってさ…」
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「げ~!どんだけな女なのよ!で、あんた、すごすごしながら逃げたんじゃないでしょうね?」
「まさか!ちゃんと言い返したわよ。私も絶対に渡しませんって」



「よく言った!」
「でも心臓がバクバクだった…」
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「だろうね…」



「ローリー…」
「ん…?」
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「私ね…亮さんにプロポーズの予約………されちゃった…」
「予約?なにそれ?」



「だから、前予約よ。後で必ずプロポーズするよって言う感じの…」
「めんどくさっ。それって早い話がプロポーズでしょ?」
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「そっかな…」
「そうでしょうよ。ったく…回りくどい事すんね…」



「でもね…今はスポンサーの件でバタバタしてるから当分先の話になりそう…。
それに、もしかしたら違う町のチームに移籍するかもしんないし…」
「移籍…」
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「もしかしたらね。詳しい話は私も聞いてないの。って言うか聞けなくてさ…」
「そっか…」



「そうなったらたぶん…ゴルゴさんも一緒に行く事になるかも?
亮さんは絶対に連れ行くと思うのよね…」
「ゴルゴも…?」
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「うん…そうなると思うよ…」
「そう…」



「淋しい…?」
「え!?」
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「淋しいでしょ?」



「な、何が…」
「ローリー、ほんとのところ、どうなの?」
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「どうなの…って?」
「ゴルゴさんの事。ほんとに何とも思ってないの?」



「お、思ってないわよ!」
「嘘ね」
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「嘘ってあんたね~~!」
「すっごい動揺してる」



「ど、どどどど動揺なんか…」
「してる」
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「…し、してない…して……して…る…かな…」
「やっぱり(笑)」



「あーあ…このみには嘘つけないや…」
クスクス…!何も隠す事ないじゃんっ。好きなんでしょ?ゴルゴさんの事」
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「好きって言うか…気になるっていうか…」
「それが好きって事でしょ?(笑)」



「はあ~まいったな…」
「どうして?何もまいる事なんかないじゃない?」
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「それがあるんだって…」
「何で?」



「何でって…ちょっと色々とさ…」
「何よ?」
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「まあ、あんたにはいずれバレるしね…」



「沙織ちゃんが…?」
「うん…。ゴルゴに惚れちゃってんの…」
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「だ、だって沙織ちゃんは鈴之介君と結婚するんでしょ?なのに…」
「あいつらは婚約解消したよ…」



「うそ…」
「ほんと。…沙織がさ…いつになくマジなんだよね…。
あのおっとりしてる子が、ゴルゴにちゃんと自分の気持ちを言うって言い切った…」
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「そんな…」
「鈴之介は鈴之介でさ、そんな沙織の気持ちを察して自分から婚約解消したんだよ…」



「自分から?なんでまたそんな事…」
「沙織の事を思ったんだろうよ。沙織が自分からは言い出せないだろうと思ってさ…」
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「なんか正直ビックリ…。鈴之介君がそこまで沙織ちゃんの事を思ってたなんて…」
「あいつはマジで惚れてるよ。
あげくのはて、沙織の恋を叶えてあげたいなんて抜かしやがった…」



「まったく…。いい男だらけでまいるわ…」
「え?まいるってそっちの事?
もしや鈴之介君に心を動かされてゴルゴさんとの狭間で悩んでるとか?」
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「違うから」
「やっぱり?」



「でもゴルゴにはさ、私なんかより沙織の方が合ってると思うし、
もしうまくいけばそれが一番いいのかな…なんて思ったりもするんだよね」
「そうかな…」
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「そうだよ。鈴之介には可哀相だけどさ…
それに鈴之介だって愛がない結婚はやめた方がいいと思うし…」



「だけどローリーはそれでいいの?ローリーのゴルゴさんへの気持ちは?
私は沙織ちゃんよりローリーの方が合ってると思うけどな…」
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「んな訳ないって…」
「んな訳あるって。別に沙織ちゃんがどうのこうのって訳じゃないの。
ただ二人はさ…ローリーとゴルゴさん、何故か同じ匂いがするのよね」



「匂い?」
「匂いって言うかなんて言うか…。うまく言えないけど二人は似合ってると思った」
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「まさか。いつもケンカばかりしてるのに…」
「そのケンカを見てるとさ、夫婦に見えたよ。長年一緒にいる夫婦って感じ(笑)」



「一言で言うと犬も食わない夫婦喧嘩?のように見えたよ(笑)」
「そ、そう…?」
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「うん(笑)いつもケンカしてる二人だけど夜になるとベットで仲直りする…みたいな(笑)」
「ベット…ってか?」



クスクス…おかしいよね(笑)
キスもしてない二人なのに、そんな風に見えるなんて私もどうかしてるね(笑)」
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ゴニョ……やったからね…



「でも本当にそう見えたのよ。あ、あの日からかな~
ほら、ゴルゴさんを追いかけていった日。あの日を境にそう見えたんだよね」
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ゴニョ……だからやったからね…



「二人がうまくいけばいいな~なんて思ってるからそう見えるのかな?(笑)」
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ゴニョ……だからやっちまったんだっつーの…



「ローリー、さっきから何ぶつぶつ言ってんの?」
「別に…」
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「とにかくさ、一番大事なのはゴルゴさんの気持ちじゃない?
肝心なゴルゴさんの気持ちが誰にあるか…そこが大事だと私は思う」
「ゴルゴの気持ち…」



「あいつの気持ちか…」
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「君、一人?」



クスクス…一人ですぅぅ」
「うおっ!マジで?じゃさ…俺とデートなんて…してみる?
君、スゲー俺の好みなんだけどな~」
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「わっ!ほんとですか!
実は私もさっきから気になって声をかけようかな~なんて思ってたんです♪」



「へえ~奇遇だね~。もしや運命の出会い?なんちゃって」
「やだ~~上手なんだから~クスクスクス…
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「分かんないぜ?見知らぬ男女の出会いがどこにあるかなんてさ…」
「うふふ…。でも私…前からあなたの事知ってます(笑)」



「え?俺の事知ってんの?感激だな~~」
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「みんな知ってますよ~♪ だってサッカー選手の眉墨ゴルゴさんですよね?
私、前から大ファンでした!友達もかっこいいって言ってましたよ♪」



「へえ~俺って結構有名人なんだな~」
「ええ、超有名人ですよ!なので声をかけてもらえて凄く嬉しいです!
私…ゴルゴさんとならどこへでも行きたいって感じです…」
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「あれ?そんな事言ってもいいのかな~?俺、マジでどこでも連れてっちゃうよ?」
「え~~どこってどこですかぁ~?(笑)」



「例えば…ベットがあるお部屋…とか?」
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「キャーーーーー!エッチ!」バシッ!バシッ!
「イテ…」



「マジで行く?行く?行っちゃう?」
「え~どうしよっかな~
でも…行っても…いいかな…なんて…やんっ恥ずかしっ」バシッバシッ!
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「はは……(言ってみるもんだな…)」



「よ~し、じゃまずは飯でも食おうか?何がいい?君の好きなものご馳走するよ」
「え~~いいんですかぁ?私、ご馳走してくれるのなら何でもいいですぅぅぅぅ」
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「何でも?OK。じゃハンバーガとかは?それをちゃちゃっと食ってからさ…」
「え~~ハンバーガーって言うより~ナイフとフォークが使えるところがいいって言うかぁ~」



「え?ナイフとフォーク…?」
「あ、でも何でもいいんですけどぉ~」
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「でもでも出来れば夜景が綺麗な所とかぁ~
ワインも飲みたい気分だし~おしゃれなフレンチもいいなぁ~なんてっ!えへっ♪」



「それ…いいね…」
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ボソ…何でもいくねーし…



― ラブホ ―



「あ…」
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「ゴルゴさん…」



「本当にいい?」
「はい…」
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「マジでいただいちゃうよ?」
クスクス…いいですよ…。ゴルゴさんに食べられるなんて夢のようですぅ…やんっ」



「じゃ遠慮なく…」
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「いただきま~す♪」



「あっ!」
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「あ~~~ん!すごーい!やんっ!あっ!」



「素敵っ!やんっ!えっち!あっあっ…いいっ…すごい…すごいっ…やんっ!」
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(…この女…うるせー…)



「あっ…ゴルゴさん!そう!そこよ!ビンゴよビンゴ!
いいわ!感じちゃうぅぅ!とってもビンゴなのぉ~ビンゴビンゴビンゴ~!」
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「………」



(なんか…萎える…。って言うかもっと可愛い声出せよな…)
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(例えば……あの夜のローリーのように…)



「あ……ん……あっ…そこは…」
「…んだよ…もう感じちゃった?…」
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「だってそこ弱いから…あ…」
「感度抜群…」



「もっと感じさせてやる…」
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「は…あっ……」



「ゴルゴさん、早くぅぅぅぅぅぅ」
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「…ローリー…」



「早くってば~~」
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「…ごめん…」



「ああんっ…早く来てくれないとや~ん……私、もっとビンゴが欲しいのぉ~」
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「ビンゴはもうお終い。ってゆーか、全部ビンゴなんじゃねーの?」
「やだんっ!…全部なんて……って…え?」



「悪い。今日はやめた。俺、帰るわ」
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「あの…?」



「一人で盛り上がってくれ」
「…は?」
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「じゃな」
「ゴ、ゴルゴさぁぁぁぁん…」



「…って…」
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「また中途半端だし…。ちくしょう…」



鈴之介の実家
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一方、沙織との婚約解消を両親に伝えた鈴之介。
両親はただただ唖然とするばかりだ。



「なん…だって?いったい何があったんだ…?」
「すみません…。僕の我がままです…」
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「お前…何を言っているのか分かっとるのか?」
「はい…分かっています…」



「鈴之介!結婚は子供のお遊びとは訳が違うんだ!先方にどう言い訳するつもりだ!」
「僕が!僕がきちんと謝罪にお伺いします…」
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「それでいいと思っておるのか!謝ればそれで済むと!?」
「申し訳ありません…。それともう一つ伝えたい事があります…」



「何だ!?」
「ぼ、僕は留学する事にしました。…この国を離れて海外へ…」
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「なん…だと…?」
「絵の勉強をしに…海外へ行かせて下さい…」



「お前…!」
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「僕は!……僕はどうしても納得の行く絵を描きたいんです…。
そしていずれは金賞を…。…それだけはどうしても…」



「…よーく分かった…。お前にはほとほと呆れたわい…」
「あなた…」
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「好きにすればいい」
「お父さん…」



「海外に行くと言うのなら行かせてやろう。
ただし、この家にもう二度と戻って来られるとは思わない方がいい」
「あなた!何もそこまで…」
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「お前は黙ってなさい。私はこいつを少し甘やかし過ぎた。こんな事じゃこの家は任せられん!」



「鈴之介…。私の肩には何千人もの社員を守るという責任がかかっている。
その家族も含めると万と言う人数だ。いずれ…お前もそれを背負う事になる」
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「だが…お前のような甘っちょろいお坊ちゃんには無理だ。
お前の我がままでその家族を路頭に迷わせる訳にはいかないんだ…」



「私にも夢がなかったと思うのか?ただこの家を守るためだけを生きがいにしていると…?
そうじゃない。私にも夢はあったしやりたい事が山程あった!」
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「だがな…これが私の宿命なんだよ…。芦屋家に生まれた宿命なんだ…。
お前もそれを分かっていたんじゃなかったのか?違うのか…?」



「僕は…」
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「お前には私のような思いはさせたくはなかった。
だから絵の事も許してきたつもりだ。それが次はどうだ?留学だと?」



「申し訳なく思っています…。それでも!僕は絵をやりたい…。絵を………やりたいんです…」
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「よかろう。お前にはこの家を継ぐ資格なぞない…。どこへでも行きなさい…」



「寝るぞ」
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「あなた…」



(ふんっ。やれるものならやってみればいい)
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(今までどれだけこの家に守られて来たのか思い知るだろう…)



(だが……私もあれぐらいの根性があったならな…。
私は父親にたてつく事など出来なかった…。私はお前が羨ましいよ…)
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(まったく…いつの間にあんなに大きくなったんだ?
クス…あの頑固さは親父にそっくりだ…)



(知ってるか?鈴之介…この家をこんなに大きくしたのは他でもない、その頑固爺さんだ…)
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(これからの時代、あれぐらいの頑固さが必要かも知れんな…)





続き、第26話へ 「悪魔の囁き」
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