第34話 「男は辛いよ(前編)」

*二度目の恋 君に逢いたくて…第34話



ローリーについ、『沙織とデートだ』と言ってしまったゴルゴ。
気がついたら口から出ていたのだ。
だけど、あの場では仕方がないだろ?ああ言うしかないだろ…?



「あの…ゴルゴさん…大丈夫ですか?」
「何が?」
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「だってその…」
「ローリーの事?別に…」



「でも…」
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「大丈夫だよ…。それに、ローリーの事はただ、 ”ちょっと気になる”ってだけだったから」
「そうですか…」



本当は嘘だ。全然、全然大丈夫なんかじゃない。
あー腹が立つ!男だ?一緒に住んでるだ?ふざけやがって!
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と言う事はあの男は毎晩あの乳を拝んでるわけだ…。
くそ…くそくそくそっ!!!!



ゴルゴは今にも発狂しそうだった。あの男をぶちのめしてやりたい。
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そして、ローリーを今すぐにかっさらって目の前に座らせ、
あのすました顔をムギュぅぅ~~~っとツネってやりたい。



いったい全体、いつの間に男なんて作りやがったんだ?ムカつく女だ!
ああ、そうかい、分かった、分かりましたよ。
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勝手にすればいい。その男と毎晩乳くりあおうが何しようが俺の知った事じゃねー
俺にだって沙織ちゃんて言う可愛らしい女がいるんだ!



だいだい最近の俺はどうかしてたんだ。自分のタイプとは程遠いアイツが気になるなんて。
そうさ、俺は元々沙織ちゃんのような子が好きなんだ。あんな感じのポワ~ンとした…
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そうだ…今夜からは夢に出てくるのはお前じゃねー沙織ちゃんの乳だ!
ああ、スッキリした!これで悶々ともおさらばだ!そうだろ?



だけど…
一度も見た事がない沙織の乳を、自分の夢に出演させるのは難しいかも知れない。
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ここは一つ、いま彼女が側にいるうちに想像して見るしかあるまい…



そしてゴルゴは妄想モードに突入した。



(彼女は意外と肉付きがいいかな…?
痩せてるように見えて、実は案外、中身はむっちりもっちりとか…?)
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(もっちりか…それもいいな、抱き心地いいし…)



(けど俺としてはちょっとしたこだわりがあんだよな…。
なんて言うかな…俺の手のひらサイズにピッタリ合ってるっていうか…)
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(そう言えばアイツはピッタリだった…
あの小ぶりで形のいい胸が俺の手の中にすっぽり納まって…)



(って…またローリーかよ…なんでそこに辿り着くんだよ…)
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「まいったな…」



「何がまいったんですか?」
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「え…」



「今、まいったなとおっしゃっていたので」
「俺、口に出して言ってた?」
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「ええ、言ってました。なにかまいった事でも?」
「い、いや…ただちょっと…その……はは…ははははは…」
と、笑って誤魔化すゴルゴ。まさかローリーの乳を思い出してたとは言えまい。



「ところで今日はどこへ行きましょうか?」
「は?」
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「ゴルゴさんったら(笑)ここに立ち止まってる訳にも行きませんよ(笑)」
「そ…そりゃそうだよな…そうだ…」



「まだ時間が早くて天気もいいですし♪ 少しぐらい遠出してもいいですよね♪」
「遠出…ですか…?」
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「ええ!私、ゴルゴさんと食べようと思ってお弁当まで作って来たんですよ♪
張り切っちゃいました(笑)」
「それは楽しみ…」



「山なんかどうですか?今頃は紅葉が綺麗ですよ、きっと♪」
「山ね…」
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「ええ!行きましょうよ!」
「そうね…」



「どこかでおやつも買って行きましょうか♪ お弁当だけじゃ足りないかも知れませんし。
そうしましょうよ!ピクニックのようで楽しそう♪」
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沙織はベラベラといつもの10倍は喋りまくっていた。
何か喋らなくてはいけない…と口が勝手に動き出していたのだ。



それは、この後ゴルゴから発せられるだろう言葉を察していたからかも知れない。
それを回避しろと本能が告げていた。
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けれど悲しいかな…そう言う勘と言うものはたいがいが当たっているものだ。
そして、それを回避する事もたいがいが難しい…



ゴルゴは沙織の言う事をぼんやりと聞いていた。
このまま二人でデートをするのはどうしても気が進まない。
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こんな気持ちのまま、彼女との仲を進展させてもドツボにハマるだけのような気がする。
もう少し自分の気持ちをちゃんと整理させてからの方が…



「沙織ちゃん…ごめん…」
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ゴルゴは申し訳なさそうに言った。



「悪い…今日は帰ろう…」
「あの…」
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「せっかくお弁当も作って来てくれたのに…ほんとにごめん…。ごめんな…」
「でも天気もいいですし…」



「今はそんな気になれないんだ…。とりあえず今日はやめよう。
俺から改めて連絡するから。その時にちゃんと話すよ…君とのその…今後の事を…」
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「ゴルゴさん…」
「行こう…送るよ…」



「あの!」
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「又デートをしてもらえますか?!」



「沙織ちゃん…」
「今日はほんの少ししか一緒にいられませんでしたが…
でもこれはデートでしょ?あなたがさっきそう言ったじゃないですか…」
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「確かにそう言った…。だけどあれは…」
「なら又デートをしていただけますよね?」



「していただけますよね?」
「ごめん…約束は出来ない…っと言うか俺さ…やっぱり君とは…」
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「いいえ、約束してもらいます」
「はい?」



「約束して下さい…」
「だからそれは出来…」
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「しつこいって分かってます…。だけど…」



「だけどお願いです…。私…またゴルゴさんに会いたい…ヒック…会いたい…」
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ヒック…どこにも行かなくていいです…会ってくれるだけで…それだけで……」
「沙織ちゃん…」



そう言って涙を見せた彼女を、ゴルゴは意地らしく思えた。
そして慰めてやりたい…そう思った。
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女性にここまで言われてそう思わない男がいるだろうか。
普段の彼ならすぐにでも抱き寄せて慰めていたはずだ。



だけど今の彼はいつもの彼ではない。
ローリーとあの男を見てから、ゴルゴはとてつもなく動揺していた。
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こんな風に可愛らしい女の子が自分を思って泣く姿を見ても、
慰めたいとは思っても涙を拭いてやりたいとは思わない。そんな余裕がまったくなかったのだ。



だけどもしこれがローリーだったら…?アイツがガラにもなくこんな風に泣いたら…?
ちくしょう…アイツだったらきっと、一も二もなく抱き締めていたはずだ。
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そして、あのくだらないジョークで彼女を笑わせ、
いつものようにバカな言い合いをしたに違いない。



そこが問題だ…。こんな時でもローリーの事を考えてるなんて…
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もう…まいったなんてもんじゃない…



「では…ヒック……又私から連絡しますので…」
「沙織ちゃん…」
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「絶対絶対会って下さいね…ヒック…」
「俺はもう君とは…」



「私、一人で帰ります!さようなら!」
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「沙織ちゃん!」



(って…またこの間と同じパターンだし…どうすんべ…)
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どうすんべもクソもない、自分がまいた種だ。ローリーとあの男を前に嫉妬に駆られ、
一瞬でも沙織の気持ちを利用した自分が100%悪い。



そんな事はゴルゴだって分かっていた。
けれど人の行動は、すべてが計算通りに行くわけではない。
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そしてふいに出てしまった行動ほど、真実を表すものもない。
そう、ゴルゴは完璧に気づいてしまった。もちろん、相当、ローリーにまいってる事に。



ローリーがあの男と一緒に住んでると言った瞬間、どうしようない程の嫉妬に襲われた。
ローリーの事を ”ちょっと気になる”なんて、そんなあやふやな言い方は嘘だ。
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それどころか ”とっても気になる”に変更しなければならない。
いや、”スゲー惚れてる”と言った方が正しいだろう。



パタン
(沙織ちゃん…ごめん。君の気持ちは受け取れない…。
俺は君といる間もローリーの事を考えてる…そんな男だ…)
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(あの…俺以外の男に乳を拝ませてるあの女の事を…俺は…)



(あ…なんかスゲー腹立って来た…。
なんかアイツの顔も見たくないし声も聞きたくないし乳も思い出したくねー…)
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(特にあの男と絡み合ってる姿なんて……絶対に想像したくもねー!)



「ちくしょう…」
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カチャ



(なんな訳?なんな訳?なんな訳!?)
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(あーむしゃくしゃする!)



ドサッ!
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「あの女……」



「なんだよ…。このベットで俺に抱かれて喜んだくせに…」
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「なんだよ…」



― その日の夜 ―



夜も更け、色とりどりのネオンが町を照らし出し、
若者にとってはもっとも大ハッスルする週末の夜がやって来た。
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合コンで盛り上がる若者達、夜のデートを楽しむカップル。



しかしその大半は、粋な装いで町に繰り出し、新たな出会いを求める者の方がはるかに多い。
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男性は女性を口説き、女性はフェロモンをプンプン撒き散らす。
誘い、魅了し、かけひきをする。



早い話が、週末の夜はあっちこっちでナンパ合戦が繰り広げられると言う事だ。
まあ…週末だけに限った話ではないが…。
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そんなそれぞれの思惑を胸に秘め、
若者達はきらびやかな夜の街へ意気揚々と鼻息も荒く、足を踏み入れる。



そしてここにも一人、同じ理由で足を踏み入れた若者が…。
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その名も芦屋鈴之介。胸の開き加減に気合を感じる(笑)



彼はどことなく場違いな感じがしないでもないが、
けれど女性との出会いを求めてると言う点ではその辺にいる若者と変わりはない。
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だが、彼はナンパをしようとやって来た訳ではなく、出会いを求めてやって来たのだ。
そんじょそこらの軽薄な若者と一緒にしないで欲しい。



とは言え、
どんな綺麗な言葉で言おうと見る奴から見ればそれはたんなるナンパだが(笑)
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かくして、彼にとっては生まれて初めて女性をナンパすると言う、
一大センセーショナルな夜がやって来た!



彼に幸運の女神は微笑むのだろうか?鈴之介に幸あれ!



彼がまずは向かったのは薄暗いバー。
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入ったのはいいが、はて…とりあえずは何をしたらいいのか…。
そうだ、とにかく酒でも飲んで一気に気分を高揚させなければならない。



すぐに彼はバーカウンターへと向かった。
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「ようこそ、いらっしゃいませ」
「い、いらっしゃいました…」と、緊張気味の鈴之介。



「あの…すみませんがお酒を頂けますか?」
「何になさいますか?」
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「え?何?…何に…えーと…じゃカクテルを…そうだな…
では『憎いあの娘を忘れたい』を一杯頂けますか」
「かしこまりました」



ゴクっ…ゴクっ…
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彼はカクテルを受け取るなり一気に飲み干した。
そう…このカクテルの名の通り、憎い(愛しい)あの娘を忘れるために…。



(よーし…なんだか気分がよくなって来たぞ!)
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と、少しずつ盛り上がる鈴之介。



(さ、次は出会いだ。どうすればいいのかな…。女性のお客様もいないようだし…)
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彼はキョロキョロと周りを見回したが女性の姿はない。と言うか他に客がいない(笑)
このお店はやめた方がいいのだろうか。だとしたら早めに場所を変えなければ…



そんな時、幸運の女神が彼に手を差し伸べた。



そう…ドアから一人の若い女性が姿を現したのだ!
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カランコロン♪



カタ…
「カクテルを下さい」
そう言いながら、その女性は鈴之介の隣に腰を落ち着けた。
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「何になさいますか?」
「えーとぉ~…う~んとぉ~…どうしよっかな~]



「何かお勧めのカクテルってあります?」
「では少し甘酸っぱい『淋しい夜を抱きしめて』はいかがですか?」
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「や~ん、今の私の気分にピッタリ~~♪ ビンゴビンゴビンゴ~!
マジ超ビンゴって感じ~~。じゃぁ~それをお願いしま~す」
「かしこまりました」



やがて、そのビンゴおんな…じゃなくて…
その若い女性は鈴之介と同様、酒を一気に飲み干した。
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ゴクっ…ゴクっ…



そして突然クルリと横を向き、鈴之介に向かってニッコリと微笑んだ。
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「こんばんわ♪」



こうして、鈴之介の熱い夜が幕を開けた…





続き、第35話へ 「男は辛いよ(後編)」
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