第44話 「別れの季節」

*二度目の恋 君に逢いたくて…第44話



- パブ『ウオンテッド』-
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(アルバイト先)



させ子と意気込んでデートをしてみたものの、今一つ思い切りが出来なかった鈴之介。
今度こそ沙織を忘れ、新しい未来に向かって歩き出そうとしたのに。
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カチャ



「おはようございます…」
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僕はどこか、おかしいのではないだろうか。



パタン…
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そりゃ~多少?彼女も強引だった事は確かだけど、
でも普通の男性ならあんな時、間違っても逃げ出したりはしないはずだ。



それぐらい、僕にだって分かる。
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それなのに僕と来たら…。



しかも僕は二度も同じ事をしてしまった。さぞかし彼女は傷ついている事だろう…。
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「はあ~…」



「鈴之介、ちょうどよかった。これ、向こうのテーブルに持ってって」
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(もしかしたら僕は一生、沙織さん以外の誰とも結婚どころか、
お付き合いする事や友好を深める事は出来ないのかもしれない…。僕は彼女を一生…)



「ねえ…聞いてんの?ちょっと!」
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「鈴之介!」



「うわ!は、はい!」
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「なに…その大袈裟な驚き。私はバケ物かってーの…」



「どうしたのよ、ボ~っとして…」
「す、すみません…」
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「ちゃんとしてよ。これ、向こうのテーブルに持ってって」
「は、はい…」



「ったく。ボ~っとしたいのはこっちだっつーの…」
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カチャ…



(今月…来るかな…。ほんとならあんなもん…煩わしくてちっとも待ち遠しくないのに…)
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一方、ローリーはシルヴァーとのあの一件以来、毎日女性としての証が来るのを待っていた。
だが残念ながらその兆しはまだない。



ああ…私と言う人間は、何度同じ失敗を繰り返せば気が済むのだろう。
あの男のせいで人生を無駄にするのは、金輪際やめると誓ったはずなのに…。
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あの男を殺してやりたい程憎い。だけどそれと同じぐらい、自分も憎くてたまらない。
でも何度そう思っても結果は変わらないし、時間を元に戻す事は不可能なのだ。



だとしたらいま私に出来ることは一つだけ…。
そう、例え自分の意思ではなくとも、もう同じ事を繰り返し、そして後悔する事はしたくない。
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何故なら、もう自分も、そして赤ん坊も自分勝手の都合で傷つける訳には行かないからだ。
だから万が一、そうなってもちゃんと…



そうよ…大丈夫よ…。決してあなたを殺しはしない。
どんな結果になろうと、今度だけは必ずあなたを守るからね…。
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だから心配しないで…。



「あ、いたいた」
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「ローリー、ここにいたのね。姿が見えないからお休みかと思ったよ」



「このみ…」
「ローリー、どうしたの?お腹でも痛い?」
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「う、ううん…そんなんじゃないのよ…」



「それよりこの間はごめん。あんたの気持ちも考えずに偉そうな事言っちゃってさ…。
そうだよね…監督の娘さんの命がかかってるとなると、そうな風に考えちゃうよね…」
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「私ね、あの後思ったの。
もし私もこのみと同じ立場だったらきっと同じようにするだろうなって」



「どんなに好きでも、あの女にあんな事言われちゃったら、
きっと私も、亮さんと別れてあの娘を救おうとするだろうなって…そう思ったのよ…」
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「それなのに私と来たら…
あんたの気持ちも考えず、勝手な事ばっか言ったね…ほんとにごめん」



「ローリー…」
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「ううん…私こそごめんね。気持ちのやり場がなくてローリーにあたっただけだったの…
それにローリーの言う事はもっともだって私もちゃんと分かってる…」



「もっともな事なんて誰だって言えるよ。でも私はあんたの性格をよく知ってるもん。
凄く悩んで出した結論だって気づくべきだった」
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「もう何も言わないよ。あんたが決めた事だもの。ただ私はあんたを見守るだけ…」



「で、いつ亮さんには言うの?別れようって……あんたから言うつもりなんでしょ?」
「うん…。亮さんには話があるって言ってあるけど…でも勇気が出なくて…」
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「ほんとは毎日、今日言おうって思ってるんだけど…
でも色々と理由つけて先伸ばしにしてる。こうやってわざとバイトを入れたりとかさ…」
「このみ…」



「あーあ!」
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「結局さ~~この世はお金なのかな~~」
「なんでよ?」



「だってさ!結局はあの麗華さんのお金に負けたんだもん。
私だってお金があれば、どんな事してでもルビーちゃんを助けてあげるのに!」
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「私が麗華さんだったらな~。そうすれば私もルビーちゃんだけじゃなく、
亮さんのチームだって助けてあげ…」



「このみ、それは違うよ。例えあんたに莫大なお金があったとしても、
あんたはあの女のように、金に物を言わせて人の弱みに付け込んだりなんかしない」
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「あんたはあの女のような真似は絶対に出来ないよ。それに今回の事で、
彼女は亮さんの体を手に入れられるかもしれないけど、心までは手に入れられないよ」



「だって私知ってるもん。亮さんがどんだけあんたに惚れてるか。
どんだけあんたを大事に思ってるか…どんだけ…あんたを愛しく思ってるか…」
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「私は知ってるから…」



「ローリー…」
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このみはローリーの言葉に涙が溢れ出た。
そう…彼が私を愛しく思ってくれる。それだけで私は大丈夫…。



「もう!ローリーは泣かせるのがうまいんだから~」
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「ね、このみ、二人でさ、どこかパ~っと海外にでも旅行に行かない?何もかも忘れてさ♪」



「そうよ、まかり間違って絶世の美男子と出会えたりして?」
「ローリーったら(笑)」
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「それともアラブの石油王とかに見初められたり?あ、あんたならありうる~
そしたらあの麗華なんて足元にもおよばないわよ~」
「ぷっ(笑)」



ああ…親友っていいな…。
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リンダ…。リンダ以外に親友なんて出来ないと思ってたけど、それは間違ってたみたい。
私にはこんなにも力強い親友がもう一人出来たよ…。



-翌朝-
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「寒いと思ったら雪が降ったのね…。空まで今日の気分にはピッタリ…」



「熱い恋の季節が終わり…そして別れの季節がやって来る…か…」
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「ふふ…私って詩人…」



「さて…と…やるか…」
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(もう決めたんだから早く言わなきゃ。グズグズしててもしょうがないしね…)



カチ…
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(もう時間切れよ…)



「おい…」
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「おいって!」



「亮、うるさい。テレビが聞こえないだろ?もうちょっと静かに喋ってよ」
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「テレビじゃねーよ!お前、なんで毎日毎日ここへ来てんだよ!?
お前だって俺と一緒に向こうの街に移るんだ!引越しの準備しろって言っただろ~が!」



「だって…」
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「なにが だって だよ!」



「だって……」
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「だってなんだもん…」



「何言ってんだよ…」
「なあ…亮…このみちゃんにさ…
ローリーが電話に出ないんだけど、なんで?って聞いてくんね?」
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「出ない?ずっと?へ~~それはさ、お前もしかしたら避けられてんじゃねーのか?」



ガバ!
「なんでだよ!」
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「知るかよ、そんな事。お前またローリーに喧嘩腰に何か言ったんじゃねーのか?」
「え?そ、そんな事…言って…言って…」



「バーカ!せいぜい沙織にも『ふにゃ○○やろ~~!』なんて言われないようにね!」
「なんだとーーーーーー!」
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「じゃね~ん♪ ふにゃ○○息子によろしく~」
「ふ、ふざけんな~~~!!!いいか!耳をかっぽじてよく聞け!俺の息子はな~~!」



「鉄より硬く!うまか棒よりぶっといんだぁぁぁ~~!!!」
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「分かったか~~!!!」



「い、言ったかも?」
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がちょ~ん



「とにかく、そんなにウダウダしてんだったら直接家に行ってみろよ!」
「でも…」
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「でもじゃなくて!」
「だって…」



「だってだって言うな!!」
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「亮様、このみ様からお電話です」
「このみから?ああ、今行く」



「とにかく!」
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「お前はいますぐローリーの家に行け!いいか!」



「だって…」
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「だってなんだもん…」



「今夜?ああ、そう言えば話があるって言ってたな。いいよ。じゃどっかで飯でも食うか」
「了解。じゃ7時に」
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「はい、では後で」



カチ…



ああ…もう本当に後戻りは出来ない。今夜限りで彼の魅力的で…力強くて…
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そして私を愛おしそうに見てくれたあの優しい瞳に包まれる事はもう、二度とないだろう…。



コンコン…
「ローリー、いる?」
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「入るよ~」



「このみ。どうした?」
「ね、ローリー、外見て!雪が降ったみたい!真っ白なのよ!」
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「見りゃ分かるっつーの」
「だよね(笑)」



「あれ?ところでシルヴァーさんは?」
「出て行った」
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「え!?そうなの!」



「出て行ったって言うか追い出したって言うかさ…」
「そっか…。よかった。これでローリーはゴルゴさんに言えるね…」
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「それはどうかな…」
「え…」



「このみ…。私ね、やっぱりゴルゴには何も言わない事にした」
「言わないって…どうして?」
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「このみと一緒よ…。私にも色々と事情があるの…」
「事情って…」



「もうヤメ。その話は落ち着いたらちゃんとするから。ね?」
「でも…」
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「でもはなし。それよりこのみはどうしたの?
何が用事があって来たんじゃないの?まさか雪だるまでも一緒に作ろうってか?」



「まさか…そんなんじゃないけど…でもローリーはゴルゴさんの事…」
「だからその話はいずれ話すってば。それよりほらほら、なによ?」
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「うん…。ローリー…私ね、今日亮さんに会って言う事にしたの…」



「ついにか…」
「うん。だからね、今夜が最後がデートなんだ…」
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「このみ…」
「自分で決めた事だし、後悔しないって決めたけど、いざ間近に迫ると怖くて…」



「そうだね…怖いよね…」
「ローリー…私ちゃんと言えるかな…亮さんに…ちゃんと…」
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「もし嫌なら、今からでも遅くないよ…」
「ううん…それは出来ない…」



「そっか。だったら、自分で決めた事なんでしょ?胸を張っていざ、出陣するしかないね」
「出陣か…」
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「ハチマキでも頭に巻いてく?」
「ローリーったら…(笑)」



「よ~し、景気付けにいっちょ、雪だるまでもマジで作っちゃう?」
「え!?マジ?」
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「なによ~自分だってほんとは遊びたいくせに~」
「だって寒いし~~」



「ほらほら!行くよ」
「もう~ローリー~~」
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「早く!」



「うっひゃ~~さぶ~~い!ローリー~~さぶいよ~~」
「うるさい子ね~~」
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「だって雪まで降ってきたよ。う~~~つめた~~い!」
「黙って作る!」



「ふふ…そう言えば昔ね、雪だるま作っては近所の男の子に壊されてさ。
幼馴染のリンダと二人で必死に雪だるまを守った記憶があるわ」
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「んでいつも壊されるから出来上がった後、水をかけたの。そしたら凍るでしょ。でも翌日、
だるまの手を忘れてて、慌てて木を挿そうとしたんだけど、凍ってて挿せないの(笑)」



「ぶ~~~なにそれ~~マヌケ~~(笑)」
「でしょ?(笑)ローリーも昔よく作った?」
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「いや、私は作るより壊す側だったから」
「ローリーらしい(笑)」



「ねえ、ローリー…。冬って好き?」
「う~ん…私は夏の方が好きかな~」
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「あ、ローリーはそんな感じね。暑い灼熱の太陽に身を焦がす~~ってのが似合ってる」
「そう言うこのみは春って感じね。春一番って感じ」



「え~~そうかな~」
「だってあんた、爽やかじゃん。あんたの好きな季節って春でしょ?」
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「ブッブー違いますぅ~。私はね、冬が好きなの。
寒いけど空気が澄んでて、雪がしんしんと降り積もった日はどこが厳かで…」



「だけどこれからは嫌いになりそうだな…。
冬になって雪が降ったら亮さんとの別れを思い出しそうで…」
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「冬は別れの季節…ってどこかで聞いた事があるけれど…ほんとにそうね…」



「別れの季節か…。そう言えば数年前、あのロクデナシと別れたのも冬だったな…。
別れたと言うか捨てられたと言うか…」
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「だけど春は出会いの季節じゃん。そして夏になり、燃えるような恋の季節の到来」



「で、秋は別れの予感がして…」
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「そして冬には又別れが訪れる…」



「もう!さっきから別れる別れるって言わないでよ!
言っとくけど冬は別れの季節なんて私は聞いた事がないわよ!それを言うなら秋じゃん!」
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「冬はさ、別れって言うより初恋の季節ね。うん、そうよ、そっちのが全然いい!」
「そうね(笑)」



ギュ…
「このみ…」
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「これだけは忘れないで。私はどんな時でもあんたの味方だよ。
どんな形であれ、あんたが一番幸せになる方法を見つけて欲しいって思ってる」



「あんたが亮さんとの別れを決めたのは、よかれの事と思ってだよね。
それに春が必ずやって来るように、あんたにも必ず春が訪れるよ…」
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「春一番のように突然、突風が吹いて、新しい出会いがやって来るんだ…。でしょ?」



「うん…うん…そうだね…。クスクス…ローリーってあったかい(笑)」
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「ね、今の私、かっこよくなかった?惚れたっしょ?」
「ぷっ(笑)」



夜、PM7時
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「亮さん!」



「すみません、待ちました?」
「いや、俺もさっき来たとこ」
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「今日はすげ~ドカ雪だな。昨日までは全然降ってなかったのにな」
「ええ、思わず嬉しくて、ローリーと雪だるま作っちゃいました(笑)」



「そう言えば俺も子供の頃、よく作ったな」
「そうなんですよ。私もつい懐かしくて。リンダと二人で遊んでた時の事を思い出しました♪」
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「へ~~。サンセットバレーも雪が多い町だからな。
それより寒み~な。早く入ろう。飯、コースを予約したけど、よかった?」



「わ~嬉しい!お腹が空いてるからいっぱい食べられそう!」
「また飯も食わず絵でも描いてたのか?」
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「育ち盛りなんですぅ~~」
「はいはい(笑)」



「君の荷物、どれくらいになる?」
「え…」
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「引越しの事だよ。荷造りが済んだら引越し業者に早いとこ言わなきゃならないから。
俺のと一緒に運んでもらう事になってるんだ」
「あ…ああ…そうですね…。なんか最近バタバタとしちゃって…」



「そんな事より亮さん、それ、もう食べないんですか?」
「もう食えない。腹いっぱい」
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「じゃ私がもらってもいいですか?」
「おいおい、大丈夫か?」



「大丈夫です(笑)こう見えても私、大食いなんですよ~」
「って事は、結婚したら君の食費を大いに稼がなくちゃならないって事だな」
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「クスクスクス…」



「食い終わったら向こうで少し飲む?」
「ええ、少しと言わず、いっぱい飲みたいです」
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「どうしたんだよ、今日は。なんかいい事でもあった?」
「ふふ…さあ、どうでしょう…」



「亮さん…」
「ん?」
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「私と亮さんが初めて会った日の事を覚えていますか?」
「覚えてる。確かリンダの家でだったよな?」



「はい。リンダから毎日、お兄ちゃん、お兄ちゃんって聞かされてて。
とっても素敵なのよって言うんだけど、でもそれは誰でも知ってる事でした(笑)」
「え?」
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「だって亮さんはあの当時からとても有名でしたから」
「有名?…って…なんで?変な奴とかそんなんで?」



「まさか(笑)もちろん、背が高くてカッコよくてイケメンで!
あの町の女の子なら誰でも知ってる憧れの男の子だったんですよ!」
「うへ~それは知らなかったな」
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「そりゃ~そうですよ~。あの頃の亮さんの瞳には、リンダしか映ってなかったしい~」
「へいへい、それは認めます」



「私も噂では聞いていたし、町でスレ違った事があったけれど、
でもリンダの家で初めて亮さんを目の当りにした時は、これは無理だ!」
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「と、思いました(笑)」



「なにが無理?」
「こんなイケメンに恋なんかしちゃ、絶対におかしくなる!だから絶対に無理!って事です」
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「なんだよ、それ(笑)」
「それに亮さんのリンダを見る目はもう~なんて言うか、愛おしいって言うか、そんな感じでした」



「だからそれはもう言うなって」
「だから私は亮さんの事は憧れの存在として、そしてリンダの大事な人として、
そんな風に亮さんを見る事が出来たんです」
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「なに?じゃ君は俺の事はちっとも気にならなかった訳?これっぽっちも?」
「もちろんですよ!」



「な~~んか今それ聞くとムカつくな」
「嘘(笑)実はちょっとは気になってました(笑)」
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「だろ?だろ?正直でよろしい」



「不思議ですね…。その亮さんが今…」
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「私の隣にいるなんて…」



「なあ、俺の目を見てみ?」
「え?」
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「俺の目。さて、何が映ってるでしょうか?」
「何がって…」



「ほら、ちゃんと見てみって。君が映ってない?
しかも愛おしそうに…目を細めて君を見てるのが分かるだろ?」
「やだ~」
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「なにが やだ~ だよ」
「だってそんなセリフは亮さんにしか絶対に言えませんよ!しかもこんな間近で!
あ~顔が熱くなっちゃいます~(笑)」



「顔が熱い?」
「亮さんがそんなセリフを言うからです…」
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「どれどれ…イケメンのお兄さんが確かめてあげましょう…」



「あ…」
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「ほんとだ…顔が熱い…」
「亮さん…」



「このみ、よく聞いて」
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「あの頃の俺は、確かにリンダしか見えてなかった。だけどそれは昔の話だ。
俺はもう、あの頃の俺じゃない。俺が今、いつも見ていたいのは君だ」



「俺は君が愛おしい…。何よりも…」
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「君を毎日抱きたい…」



「もう!亮さん!」
「はは」
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「亮さんったら絶対にスケベになりましたよね?」
「俺?俺は前からスケベでしたぁ~~」



「と言う事で今夜、俺の家に来なさい」
「クスクスクス…」
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「俺、スケベなおじさんだから。今夜はおじさんと一緒にベットでネンネしようね」
「亮さんったら(笑)」



「さ、もう行こう」
「え…」
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「雪がひどくなって来たらヤバイから」



「そうですね…」
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「もう、行きましょう…」



「何か買うもんある?コンビニとか寄らなくていい?」
「いえ…何もありませんが……。だけど私…」
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「亮さん…私ちょっと酔ったみたいなんで風にあたりたいんですけど…。
それに亮さんに話さなければならない事もあるし…」



「ああ、そうだった。わりー忘れてた。なに?愛の告白?な~んてな(笑)
ちょっと待って。その辺の公園に止めるから」
「公園じゃなくて……」
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「ん?」
「海…海が見たいです…。海に連れてって下さい…」



「おいおい、海って…この真冬にか?しかも海へ行くには遠いな…。
あ、でも湖でいいならあるぜ。それならすぐ近くだ。でも寒いぞ?いいのか?」
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「いいんです…そこへ連れてって下さい」
「了解。ちょっとだけな。凍え死んだらやべーし」



「おおお~~すげ~雪!吹き飛ばされそうだな、おい(笑)
しっかし、サンセットバレーの海には負けるけど、ここも中々見ごたえがあるな」
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「海と言えば昔、サンセットバレーにいた頃は毎日海で泳いで真っ黒だったよ」
「私もよくリンダと一緒に暗くなるまで海で泳いでました」



「あの頃はよかったな…」
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「何も考えず…ただ思いのまま遊んで…」



「どうした?サンセットバレーを思い出しちゃった?」
「そうかも知れませんね…」
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「もうすぐ帰るよ。おれ達が育ったあの町へ…」



「そして二人で暮らして行くんだ。俺と、君と…」
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「それから俺たちの子供と一緒にな…」



「私…今日は伝えたい事があったんです…」
「ん?」
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「私…」
「何?」



「私…」
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「サンセットバレーには帰りません……」



「え…」
「ごめんなさい…」
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「帰れない?帰れないって……なに?どうした?」



「正直に言います」
「なんだよ…?」
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「私…亮さんへの気持ちはあの頃のままだって気づいたんです」
「あの頃?どういう意味…?」



「とっても素敵で…みんなの憧れで…ちょっぴり気になってたリンダの大事な人…。
亮さんは私にとって、今でもそんな存在なんです…」
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「だからどういう意味だよ…」



「亮さんにこの町で再会したあの時…私、失恋したばかりだったんです。
前にその事は言いましたよね?彼と別れたばかりだったって」
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「あの時、明るく振舞ってはいましたが、でも本当は落ち込んでいたんです…。
そんな時でした、亮さんと再会したのは…」



「亮さんは昔と同じで、とても素敵でカッコよくて…そして有名人でした。
私は有頂天になっていました。こんな素敵な人の恋人になれたらどんなだろう…って…」
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「そして実際に亮さんの恋人になれて、私は浮かれていました。でも…」



「でも…?」
「でも気づいたんです…。私はただ単に亮さんに憧れてただけだったんじゃないかって…。
そして失恋で傷ついた心を癒したかっただけなんじゃないかって…」
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「さっきから何言ってんの?意味がよく分からないんだけど?」



(さあ、一世一代の大芝居をうつのよ。泣いたりなんかしないでちゃんと言うの…)
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(そうしなければ、私達は必ず後悔する…)



だけど…




著作権者様から許可をいただいてお借りしているBGMです。
よろしかったらお流し下さい。音量にご注意ください。
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ええ…そうね…。だけど出来る事ならあなたの子供を産みたかった…
出来る事ならあなたと人生を共にしたかった。
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出来る事なら……あなたの腕に永遠に包まれていたかった…。
でもそれはもう…叶わぬ夢です…。



亮さん…
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私はあなたを愛してます…。



「つい先日…前の恋人と偶然会ったんです…」
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「偶然?前の男?」
「そこで言われたんです…。もう一度私と付き合いたいと…。そして…」



「私と結婚したいと…」
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「私、彼にプロポーズされたんです」



「結婚って…おいおい、ちょっと待ってくれよ…」
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「だって君は俺と…」



それはあまりにも突然の告白だった。
彼は目の前が真っ白になり、足元からすべての感覚が抜けて行くのを感じていた。



彼女は何が言いたいのだろう。何がだと?ああ…何が言いたいのかは明白だ。
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彼女はたった今、俺と一緒に行けないと言ったじゃないか。
そして昔の男の事を言い出した…。



つまり…



「簡単に言えばこういう事だ。俺への気持ちが昔のままだとかそう言うのはどうでもよくて、
ただ単に俺とは結婚できない。何故なら…」
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「前の恋人とヨリを戻したいから…」



「こう言う事?」
「ええ、そう言う事です」
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「なんだ…そう言う事か…」



亮は雪が猛吹雪になりつつある事も、そして凍りつくような寒さも、何も感じなかった。
まったく予期していなかった彼女の言葉に、ただ ただ驚くばかりだ。
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いったい何が起こったんだ?
ついさっきまで彼女との結婚を疑いもしなかった。なのに何故…



「君は……その男の事がずっと忘れられなかったのか?」
「分かりません…。だけど亮さんと付き合ってからは忘れたと思っていました…でも…」
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「でも再会して忘れてなかった事に気づいたって訳か…」
「けど私は亮さんの事は…」



「もういい!」
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「もう…いいから…」



「分かっ…た…。君の気持ちは分かったよ…。
俺も男だ。君がそこまで言うのに女々しい真似はしたくない。このまま別れよう」
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「亮さん…」
「ごめん、一人で帰ってくれないか…君を送ってやれない…」



「分かってます…」
「じゃ…悪いけど先に帰る…」
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「お先に…」



亮はこぶしをギュッと握り締め、歩き出した。こんなにも怒りを覚えたのは何年ぶりだろう。
彼女への怒りも当然あるが、それよりも、自分の間抜け加減に怒りを覚える。
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俺は一人で舞い上がっていたのか?



バタン!
今まで彼女が俺に見せたあの笑顔は全部嘘だったのか?
憧れ?リンダの大事な人?前の男と結婚?まるで振られ文句のオンパレードだ!
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おかし過ぎて涙が出るよ…



「亮さん…ごめ……」
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「ごめ……なさ…………」



春は出会いの季節。
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夏は灼熱の太陽が恋人達を熱くし…



やがてうすら寒い秋が別れを予感する。
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そして…



「さようなら…亮さん…」
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その日、リバービューの街に本格的な冬が到来した。





続き、第45話へ 「空回りする粉雪」
二度目の恋…タイトル一覧は 「こちら」   
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